群馬県から出題された問題は、教科書で新たに扱われた「イオン化傾向」に関するものであった。
上に示した見開き1ページ目ではダニエル電池に入る前にボルタの電池の仕組みについて触れ話を展開。設問自体は化学式、用語の穴埋めと記号選択で難易度は高くない。来年以降の対策に最適な問題といえるだろう。
下に示した見開き2ページ目では(3)では過去に出題されたことがない、マイクロプレートの利点に関する問いであった。(4)では会話形式を採用。選択肢は正しい組み合わせはどれかというものであった。このイオンに関する問題は進出内容を扱っているだけではなく、出題形式も新傾向を意識した内容となっている。
イオン化傾向についてはダニエル電池を出題しなかった県も含めると11県で出題された。野洲市・守山市の個別指導・集団指導の学習塾まなびスクールにおいても生徒たちが通っている中主中学校、野洲北中学校、守山北中学校、明富中学校、野洲中学校、近江兄弟社中学校の定期テストでも今回のこの範囲が含まれているので1学期の理科はしっかりとした対策が必要となる。
上の埼玉県のサンプル問題は太陽暦と太陰の違いを公転周期から考える問題。知識の有無がメインに問われるのではなく、会話文の内容を理解したうえで問題に合わせて解答するものであった。まなびスクールでは「まなび式対話授業」を行うことで一つの事象に対する徐々な展開に対応する練習も行っている。太陽暦での、うるう年の説明を受けて太陰暦に応用するものでしたが実戦では苦戦した受験生も多かったのではないか。
今までの理科での計算問題は物理分野が主であったが、近年では生物や地学での出題もみられる。特に小数のかけ算わり算は低正答率が目立つ。高得点を目指すには読解力、計算力、応用力を身につけ、初見問題でも戦えるように実践的な問題に触れておくことも重要である。
新教科書は2021年からの使用となるが「知識の活用」「見方・考え方の重視」が図られている。そのため授業風景を想定した設定や、日常生活での事象を題材にした内容がふんだんに盛り込まれている。上に示す岩手県の問題ではこれに当てはまり、自転車のギアの仕組みを動滑車で説明している。会話によって問題が展開されていくため読解力も必要になる。加えて計算問題の出題もあるため教科横断式の問題でもある。
一方、京都の問題では読解力だけではなく条件整理の力も求められる。パネルの中身に加えて、植物の組み合わせも考えながら選択肢を吟味していくため見た目はシンプルだが手ごたえのある内容となっている。理科の思考力問題は凝った設定になりがちだが、バリエーションはさほど多くはない。このような問題が数年内に他県で出題されることは十分考えられるため入試対策に他県の問題を取り入れるのも得策であろう。