上に示した静岡県、三重県の問題ではここ数年で急激に出題が増えた「産業革命と日本の貿易」に関する記述問題。扱っている題材や設問の中身はほぼ同じだが、問われる内容が大きく異なる。近年、社会では覚えている用語だけでなく、知識の関連付けが求められるようになった。よって一問一答形式が減り、写真やグラフなどの読み取りと合わせて知識を問う問題が増えている。新教科書で用いられることが増えた資料だが、公立高校入試においては2通りの使われ方がある。1つ目は静岡県の問題のように資料を参考にしながら知識を問うタイプ。資料は設問の内容を裏付けるものでしかないため、解答は傍線部5の産業革命とそれによる日本の綿産業の変化にかかわる知識を関連付けた内容にすることが求められる。
一方、三重県の問題では資料から「輸入品が綿糸から綿花に代わり輸出品の上位に綿糸が入ったこと」が読み取れ、さらに使用語句も指定されていて資料は大きなヒントとなっている。
同じ資料がある問題でも「資料から知識を問うタイプ」は難易度が高くなるため、知識の定着と実戦力アップにはこれを、記述問題の入門対策としては「資料がヒントになるタイプ」を選ぶとよい。
2022年度入試で目立ったテーマの一つに「課題解決のための技術革新」がある。2021年度から使われている新教科書では地理や公民で「課題解決の観点」に重きを置いているが、特に日本が抱える課題として高齢化や過疎化が挙げられる。これを題材とした問題が近年の公立高校入試で増えている。宮崎県の問題にあるドローンの荷物輸送については広島県の数学の問題でも使われ今後も注目のテーマとなっている。また、広島県の問題のバスの効率的な利用については貨客混載バスやルートの見直しなどといったテーマでも扱われることが多くなっている。いずれも資料を参考にして書く記述問題だが正確な知識というより記述力が求められる問題である。このような出題をしている県では最新の入試を幅広く取り入れ、最新のテーマに触れておくことが得策である。
これらは最新の時事問題が題材とされたものである。SDGs、成人年齢の引き下げ、国際社会諸問題、どれも時事に目を光らせ出題を予測しておくことが望ましい。定番となっている問題については知識だけでなく、「なぜ」と聞かれた際の答えを用意しておくことが重要である。野洲市・守山市の中主中学校、野洲北中学校、守山北中学校、明富中学校、野洲中学校、近江兄弟社中学校の生徒たちが通う、個別指導・集団指導の学習塾まなびスクールでは、毎度の生徒とのコミュニケーションの中で、学校の話・生徒自身の話・世間話を積極的に行っているのでニュースなどに関して触れる機会が多いことが特徴であり強みである。